宗派 商品
宗派とは、ひとつの宗教において、さらに細かく分けられた宗教上の派閥を表します。たとえば、仏教・神道・キリスト教などは「宗教」として分けられていますが、
仏教の場合は「浄土真宗」や「真言宗」「天台宗」といった宗派があり、キリスト教では「カトリック」や「プロテスタント」といった教派が存在します。
大本の宗教観は同じですが、宗派によって生活上のしきたりなどの細かい部分や、考え方が異なっています。
また、宗派の違いは葬儀上のマナーや供養などに反映されることが多く、たとえば同じ仏式の葬儀であっても、宗派の違いでお線香の上げ方や香典の書き方、葬儀の段取りなどに違いが見られます。
そして、宗派の中にもさらに地域性があり、地域によって独特の風習が加わっていることもあります。

仏式葬にこめられた宗派の考え方

ありそうでなかった仏教入門書。お葬式における儀礼的な所作や言葉や使うモノの相違から、日本仏教の各宗派の特色を説明していく本である。お葬式のマニュアル本としてではなく、日本における葬送儀礼の文化とそこで中心的な役割を果してきた仏教の意味について考えるのに、有益な一冊であるといえる。
阿弥陀仏の他力を信頼するがゆえに、僧侶の仏力は認めずただ阿弥陀仏に感謝することを強調する浄土真宗、日本の葬送儀礼のフォーマットを形成し死者の授戒と引導に特にこだわる禅宗(曹洞宗・臨済宗ほか)、大日如来と僧侶と死者が一体となり曼荼羅の世界を儀式の場に現出させる真言宗、死者が「浄土」にちゃんと迎えいれられるよう彼らを僧侶が導き見送る浄土宗、永遠不滅の釈迦仏が主催する霊鷲山へと転生するのを手助けする日蓮宗、そして法華・念仏・真言と顕密すべてを総合し、死者への大乗戒の付与を尊ぶ天台宗、とそれぞれの性格が明確に腑分けされ論じられる。
その他、民俗学が実証してきた「仏教以前」の葬送儀礼の特徴や、近世・近代に開発された「神葬祭」についても簡単に述べられており、参考になる。ただ、こうした伝統的な宗教葬儀が存続の危機に瀕している現状については憂えてみせるだけで余り説得力のある解決策が示されておらず、その様な状態にもかかわらず宗派ごとに込み入ったお葬式の意味を詳しく説いても、何か空回りしているような気がしてくるのは仕方がない、か。